外反母趾の原因

「強剛母趾」とは何のことか。外反母趾とはどう違うのか?

外反母趾の様に指は曲がっていないのに、親指の付け根辺りに痛みがある。

そのような場合、強剛母趾(強剛拇指)と呼ばれる症状の疑いがあります。

患者さん
患者さん
私も指の曲がりは少しなんですが、外反母趾なのか強剛母趾なのか判断がつかなくて、、、
中島先生
中島先生
実は治し方としてはほとんど同じなので、判断する必要はないんです。でも知識として知っておくに越したことはないですね

ここでは、強剛母趾について詳しくお伝えしていきます。

外反母趾とはどんな状態のことか

まず外反母趾とは、親指の付け根辺りが横に広がり、出っ張ってしまった状態。

痛みは出ない方もおられます(痛みは無くても、その影響はあちこちに出ているので要注意です)

あなたが外反母趾かどうか、またその程度については以下の様なチェックでわかります。

外反母趾の基準とセルフチェック

強剛母趾とはどんな状態のことか?

親指の付け根に痛みがある状態。

外反母趾の様に、横幅が広がり親指が外に曲がったりはしていないので、痛風などと間違える方もおられます。

特徴としては、写真の様には親指が後ろに反らない、無理に反らせようとすると痛みが強く出たりする。

この症状は足の骨の位置や長さによって、なりやすい方とそうでない方はおられます。

しかしいずれにせよ主原因は痛みの出ている箇所辺りに、負荷をかけ続けるような毎日を過ごしていること。

酷くなれば「骨棘」と呼ばれる骨のトゲの様なものまででき、痛みは増していくことになります。

大まかには足の横幅が広がり、明らかに指が曲がっているものは外反母趾、指の曲がりがあまり見られないものの、親指付け根が痛い場合強剛母趾ということになります。

正確に区別する必要は、無い

しかし、この分類を正確に行う必要は、基本的にはありません。

「正しく判別しないと、治らないのでは」と思われる方もおられるでしょう。

確かに、痛風なのか強剛母趾なのかについては、治療の方法が大きく変わるので、正確な診断が必要です。

しかしこれは痛みの質が全然違いますし(痛風はじっとしていても痛い)、何より血液検査をすればすぐにわかります(痛風は尿酸値が高くなっています)

しかし外反母趾と強剛母趾の区別に関しては、その心配はありません。

なぜなら外反母趾も強剛母趾も、発生の原因・メカニズムは大筋で同じだからです。

では、その原因とはいったい何でしょうか?

強剛母趾の原因

先ほど「痛みの出ている箇所辺りに、負荷をかけ続けるような毎日を過ごしていること」という表現を使いました。

これは具体的に言えば、その辺りに過剰な負荷のかかる歩き方をしている、ということ。

外反母趾にしても強剛母趾にしても、それが発生原因の共通ベースで、それに年齢や性別や遺伝的素養や、歩くときに重心をかける微妙な位置の違い等で、どっちが発生するかが変わっているということです。

ちなみに、外反母趾の主原因はハイヒールでも遺伝でも足指が弱ったせいでもなく、良くない歩き方。

アメリカなど足の医療の進んだ国では、外反母趾は過剰回内(オーバープロネーション)という良くない歩き方が主原因だと、広く認識されています。

ということは改善のためには、遺伝などのどうにもならない要素は置いておいて、重心のかけ方などの「足の使い方」「歩き方」を改善するということになります。

では、具体的に重心をかける位置などはどう変えればよいのか。

それは外反母趾であろうが、強剛母趾であろうが、結局のところ同じ「正しいとされる歩き方」にするということにつきます。

要するにやらなければいけない、目指すべき歩き方は基本的に同じ。

ということはやはり、どっちであるかの正確な判断は別に必要ない、ということなのです。

どんな歩き方をすればよいのか?

具体的にはどんな歩き方をすれば良いのでしょうか?

まずはその場で行進をするように、足踏みをしてみてください。

そしてその動きのまま、ゆっくり前に出てみてください。

いつもよりももを持ち上げるような、この歩き方でOKです。

「本当にこれだけで?」

「一般的に良いと言われている歩き方と、全然違うけど?」

よく言われますが、大丈夫です(笑)

私は治療の現場でもこれで成果を出していますし、足の骨格の仕組みから見てもこれで正解です。

何故この歩き方で、軽度の外反母趾は治るのか?

この歩き方は足指よりも、かかとをメインにして歩く仕組み。

強剛母趾にしても外反母趾にしても、これが大きなポイントになります。

「足指を使わないから弱って強剛母趾(外反母趾)になっている」と思っている方も多いようですが、そうではありません。

もしそれがその通りで、足指を鍛えれば治るのであれば、足指を酷使するハイヒールは、改善に効果的なはず。

しかし、そうではないですよね。

体を横から見ればすぐにわかりますが、体の真下はかかと。

なので歩くときにもかかとを中心に歩くのが、骨格の構造上も自然で負担がないのです。

では足の前部分、指やつま先あたりを使うのはどんな場面か?

それは主にスピードを上げる時。具体的には走る時など。

そんな場合はつま先の方で地面をけることが必要になります。

しかし歩くときには、それは過剰な動作。

実はこれも、外反母趾を作る原因の一つなのです。

なので強剛母趾や外反母趾になっている方は、知らずのうちに「走る姿勢で歩いている」「走る動きで歩いている」とも言えるので

まとめ

強剛母趾とは、親指(母趾)の付け根辺りが痛む状態。

親指が反りにくい、反らすと痛いなどがその特徴です。

強剛母趾について調べる方は、自分が外反母趾なのか強剛母趾なのかを知りたい、それを明らかにしたうえで適切な対策を、という方が多いはず。

しかし、その必要はありません。

なぜなら、どちらにしても主原因は良くない歩き方

なので目指すべきは負担のない、理にかなった歩き方の習得という点で、変わりはないからです。

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ABOUT ME
中島武志
中島武志
外反母趾改善の専門家。アメリカ足病医学をベースとした歩法”ゆるかかと歩き”で外反母趾を大幅改善。公開許可のある改善症例1000例以上(2019年5月現在)。北は北海道から南は福岡まで、その歩行指導メソッドを全国の治療家が続々と導入中。ネイティブウォーキング協会代表理事。