外反母趾の一般的な治し方

外反母趾の矯正の方法とは。どの矯正法が効果が高いのか?

外反母趾にお悩みの方は、どうやったら矯正できるのかと、ネットなどで矯正法や改善法等の情報を、集めようとするのではないでしょうか?

しかしあなたが「矯正」という言葉で検索しようとするのか、「改善」「治療」等それ以外の言葉で検索しようとするのかは、最終的な改善結果に意外な違いが出ることになります。

患者さん
患者さん
外反母趾「矯正」って、普通に使う言葉だと思うのですが、それでは良い情報が上がってこない、ということですか?
中島先生
中島先生
それも多少はあります。しかしそれだけではありません。外反母趾を「矯正」しようと思っている方は、実は外反母趾を治すのが難しいのです。

ここでは外反母趾の世の中で一般的に行われている矯正法についてと、「矯正」しようと考えている方の盲点について、お伝えします。

外反母趾とはどんな状態のことか

まず外反母趾とは、親指の付け根辺りが横に広がり、出っ張ってしまった状態。

痛みは出ない方もおられます(痛みは無くても、その影響はあちこちに出ているので要注意です)

あなたが外反母趾かどうか、またその程度については以下の様なチェックでわかります。

外反母趾の基準とセルフチェック

外反母趾の矯正法

現在世の中で一般的に行われている矯正法は、大きく分類すると3種類

まず、外科手術をする矯正か、しないか

手術をしない矯正では、具や道具を使うか、使わないか

詳しく見ていきます。

手術による矯正

変形してしまった足の形を、外科手術で矯正するというやり方。

2019年現在、多く行われている手術は骨切り法と呼ばれるもの。

親指の骨を曲がっていく手前で切断し、真っ直ぐに付けなおすというやり方。

そのほかにも様々な術式があります。

整体・マッサージ(手技)

整体師やマッサージ師などの手技により矯正する方法

患部周辺のこわばりを取り、元の形に促すやり方のほか、すねの周囲の筋肉や、踵の骨の位置の矯正等、様々な考え方・やり方があります。

サポーター・装具・テーピング・靴下等(器具)

手技ではなく、何らかの道具を使いあるべき形に戻そうとする矯正法

サポーターにしても装具にしても、その矯正力の強さや材質などにより、製造各社でアレンジしたものを販売しています。

整骨院などの治療院では、手技による矯正と組み合わせて用いられる場合が多いです。

「矯正しよう」と思っている方は、治すのが難しい

様々な矯正法を紹介してきましたが、そもそも外反母趾を「矯正しよう」と思っている方は、実は外反母趾を治すのは難しい、というのが私の意見です。

それはなぜか。

外反母趾「矯正」という言葉を使う方の考え方が、外反母趾を難しくさせているからです。

「矯正」という言葉の裏にあるもの

矯正という言葉は、国語辞典では「欠点・悪習などを正常な状態に直すこと」とあります。

なので確かに外反母趾の「矯正」で、使い方としては間違ってはいません。

しかしもし例えばですが、あなたが非行に走った問題児だったとして、「あなたを矯正する」と言われれば、どういう感じがするでしょうか?

あなたが問題児になった原因と向き合い、それを取り除いてくれるという感じはしますか?

それよりは無理やり強制的に正しくされる、という感じがするのではないでしょうか。

矯正という言葉には、「原因を取り除いた結果」正しくなるというよりは、「やり方は問わず半ば強引に」正されるというニュアンスが感じられるということ。

「言葉」というのはそれ自体に意味があるので、たまたまそれを選んだ、ということは、まずありません。

無意識ではあったとしてもそれはそれなりに、あなたは適切だと思う言葉を選んでいるのです。

またもし最初はたまたまだったとしたとしても、その「言葉」にあなたの考え方は徐々に「引っ張られて」いくのです。

というわけで外反母趾においても、「矯正しよう」という言葉を使うとき、どちらかというと強引にでも形を元に戻そう」という考えが根底にはある、ということを表しているです。

強引なやり方では、本当には治らない

そんなのはただの「言葉のチョイス」だけだからなどの、多少の異論はあるかもしれません

しかしそもそも「外反母趾で曲がった指の形を、強引にでも元に戻そうとするのは普通のことではないですか?」と仰る方もおられるでしょう。

実はこの考え方こそが、これまで外反母趾の改善を難しくしてきたのです。

形がおかしくなった、だから形を元に戻す。

気持ちはわかりますし、一見普通のことのように思います。

しかしそこには、形を元に戻すという「対策」を考える前に、やらなくてはいけないことが抜けているのです。

それは「なぜ形がおかしくなったのか」と考えること

要するに「原因」を明らかにしなくてはいけない、ということです。

先ほどの例でいうと、あなたがもし非行に走ったとして、まったく原因が無いということはありあえないでしょう。

それと同じで、外反母趾にもその形になる「原因」があるはずなのです。

あなたがその原因も取り除かれず非行を止めないように、外反母趾も原因を取り除きもせず元の形に戻るということはないのです。

もし元の形に戻ったとしても、原因がそのままなら力で押さえつけているだけ。

時間と共に元に戻っていくのは、火を見るより明らか。

なので原因から改善しようというのではなく、結果としての形だけを整えようという「矯正」という考え方が、外反母趾の根治をとても難しくしてきたと言えるのです。

原因を突き止め、それを取り除くことが本当の改善につながるとして、では外反母趾になる原因とはいったい何なのでしょうか?

外反母趾の主原因とは

未だに日本では外反母趾は「ハイヒールが原因」だとか、「足の指を使わない生活による退化」だとか、「遺伝によって決まってしまっている」などという説が信じられています。

しかしこれらは正しいとは言えません。

外反母趾の主原因は足の医療の進んだ国では、すでに明らかになっています。

それは実はあなたの良くない足の使い方・歩き方が原因というもの。

足の医療の進んだ国とそうでない国

足の医療の先進国と言える国には、足の医療を学ぶ専門の大学があり、そこでで学んだ医師を認定する「足病医」という制度があるのです。

アメリカなどはその最たる国で、そんな認定足病医が13000人以上も活躍しています。

しかし残念ながら日本には、そのような教育機関も制度もありません。

このような状況もあり日本は情報が遅れていますが、これら足の医療の進んだ国々では、外反母趾の主原因は過剰回内(オーバープロネーション)というよくない足の使い方、歩き方だと広く知られているのです。

歩き方を変えれば、本当に外反母趾は改善するのか?

外反母趾は良くない歩き方が原因だとすれば、改善に必要なのは歩き方の改善。

本当に歩き方を改善しただけで、外反母趾は良くなるのでしょうか?

本当かな?と思われる方もおられるかと思い、いくつか改善例を挙げてみます。

これらは多くの大学病院でも使用しているフットルックという、信頼性の高い計測器のデータです。

特に左足は重度(40度以上)間近の外反母趾だったのが、正常値(14度以下)一歩手前まで大幅に改善。

横幅も1センチ以上も小さくなっています。

この方の場合ご高齢で、時間はかかっているものの大幅に改善。中程度後半だった外反母趾が、同じく正常値一歩手前までになっています。

このような改善例は私たちにとっては珍しくなく、公開許可のあるものだけで1000例以上所有しているのです。

改善例集 ~外反母趾は本当に「歩き方」で改善するのか?~「ゆるかかと歩き」で外反母趾を改善した方達の、詳細な改善例の一部を挙げました。 外反母趾の判断基準 ~角度の測り方~ これは...

まとめ

外反母趾の「矯正」法は、大きく分けて三種類。

「手術」「手技」「器具」による矯正です。

しかしこの「矯正する」という言葉には、結果としての形だけを整えるという考え方が表れています。

なので実際に、外反母趾矯正法と呼ばれるものはどれも、原因改善のアプローチではなく、形を整えるに終始したものばかり。

このことが、外反母趾の改善を難しくしてきたのです。

外反母趾は「過剰回内(オーバープロネーション)」という良くない歩き方が主原因。

それを改善することで、結果として形は自然と改善されていくのです。

スマホやタブレットのカメラ機能で、外反母趾の角度を測定できる無料WEBサービスを提供しています。宜しければご活用ください。

 

ABOUT ME
中島武志
中島武志
外反母趾改善の専門家。アメリカ足病医学をベースとした歩法”ゆるかかと歩き”で外反母趾を大幅改善。公開許可のある改善症例1000例以上(2019年5月現在)。北は北海道から南は福岡まで、その歩行指導メソッドを全国の治療家が続々と導入中。ネイティブウォーキング協会代表理事。